COLUMN
成人式振袖・卒業式袴選びのお役立ちコラム
コラム2022/05/10
それぞれの振袖の柄には意味があった!桜、椿、牡丹など
振袖はさまざまな色や柄があり選ぶのも一苦労ですよね。美しい色使いだけでなく、模様や柄も振袖を選ぶときの大切なポイントです。実は、振袖の柄にはそれぞれに意味が込められているのです。今回は、人気の柄とその柄に込められた意味や由来をご紹介します。意味がわかれば、これから着る振袖にさらに愛着が湧くかもしれません。
振袖の柄の種類
振袖は未婚女性の第一礼装として、成人式や結婚式などの慶事に身につける着物です。振袖にあしらわれた柄には、繁栄や長寿、縁起物、格式の高さなど、さまざまな意味が込められています。まずは、振袖の柄にはどのような種類があるか、3つのカテゴリーから解説します。
古典柄
伝統的な柄を「古典柄」と呼びます。松竹梅や鶴、亀、鳳凰といった「吉祥文様」は、中国から日本に伝わったとされる古典柄の代表的なモチーフです。他にも、桜や短冊、扇、鼓など、振袖の柄として古くから愛される柄もあります。これらは時代が変わっても振袖の定番として好まれているデザインです。
新古典柄
オーソドックスな古典柄を用いつつ洋風の柄や色使いを取り入れて、現代の流行にも合った柄に仕上げているのが「新古典柄」です。振袖らしいクラシック感と今のトレンドの両方を楽しめるデザインになっているのが特徴です。
モダン柄
「モダン柄」とは、蘭やバラなどの洋風の柄やストライプやチェックといった幾何学模様を用いた個性的な柄です。小物や髪型、メイクなども振袖のモダン柄に合わせてコーディネートするとより統一感が出て、自分のオリジナリティも表現できます。
振袖の柄には意味が込められている!
華やかな振袖には草花や動物、和風小物などの柄が取り入れられており、それぞれ意味が込められています。ここでは、各柄の意味や由来をご紹介します。
百合
大きな花びらが華やかな百合(ゆり)は、洋風のエレガントな雰囲気を演出できます。百合の花言葉には「無垢」や「純潔」といった意味があるので、20歳の旅立ちにぴったりでしょう。上品な大人っぽさも感じさせるデザインが多くあります。
バラ
人気の高い洋風のモダン柄といえばバラです。バラは色ごとに花言葉が異なり、赤は「愛情」、ピンクは「上品」、白は「純粋」、青は「夢の実現」などがあります。色の見た目の好みだけでなく、花言葉からなりたい自分をイメージして選んでみても良いでしょう。
牡丹
花びらが何枚も重なり、ふっくらとしたフォルムが美しい牡丹(ぼたん)は、幸福や豊かさの象徴と考えられています。中国では「百花の王」と称される品格のあるモチーフです。牡丹のつぼみは意外と小さく「やがて大きく咲き誇る」という意味もあり、大人への成長を祝う成人式に相応しいデザインです。
桜
振袖の柄として人気の高い桜には、一斉に花が咲く様子から「豊かさ」や「繁栄」という意味があると言われています。物事のはじまりを感じる春に咲くので「門出」という意味もあり、成人を祝う振袖の柄として多くの人から愛されています。
椿
レトロ柄の代表的なモチーフである椿(つばき)は、一年を通して青々としたツヤのある葉をつけている生命力の高さから、平安時代には魔除けの木として親しまれてきました。吉祥模様として古くから着物の柄に取り入れられているデザインです。
鶴
「鶴は千年・亀は万年」という言葉があるように鶴は長寿の象徴で、おめでたい吉祥文様です。加えて、鶴は夫婦になると仲睦まじく一生を添い遂げるという性質があるので、「ぴったりのパートナーと出会い幸せな日々を生きていく」という想いを込めることもできるでしょう。
蝶
女性らしい雰囲気の蝶も、古典柄ながら洋風のモダン柄としても使われる、人気の高いモチーフです。幼虫からさなぎ、蝶へと美しく姿を変えていくことから「不滅」「不死」という意味が込められています。ひらひらと舞う姿からは優雅な印象も与えられるでしょう。
うさぎ
干支のひとつでもあるうさぎは、卯年生まれの成人に選ばれることが多い柄です。前に飛び跳ねて進む姿から「トントン拍子に物事が進む」という意味が込められています。夢を抱いて大人になるという成人式にぴったりのモチーフです。
松竹梅
縁起物として有名なモチーフの松竹梅ですが、寒い季節でも青々とした葉をつけている松や竹、冬の終わりを告げる可憐な梅といったことから「苦難に耐えてあたたかな春を迎える」というおめでたい意味が込められています。振袖に限らず慶事に用いられる吉祥文様です。
御所車
御所車は、平安時代の貴族が乗る牛車のことをいいます。「豊かさ」の象徴として、古くから振袖の柄に取り入れられてきました。御所車にこぼれるほどの花をあしらった「花車」という柄もあり、雅な古典柄の雰囲気を楽しむことができます。
手まり
ころっと丸いフォルムから可愛らしさを演出できる手まりには、「弾むような幸せが続く」「困難が丸く収まる」といった想いが込められています。お守りとして花嫁に手まりを持たせる習慣を持つ地域もあり、魔除けの役割としても伝わっています。
糸巻
糸巻は、蚕(かいこ)の糸や染めた糸を巻きつける織物の道具のことです。「千切(ちきり)」という呼び方もあることから、「人との絆を固く結ぶ」という意味も込められています。そして、長い糸が巻きつけられていることから「長寿」の意味も持ちます。
七宝
連続して同じ大きさの円が広がっていく七宝(しっぽう)柄は「繁栄」や「円満」を表している吉祥文様です。仏教の七宝(金・銀・瑠璃・めのう・水晶・しゃこ・珊瑚)と同じくらいに尊く価値があるという意味から、七宝と名付けられています。
雪輪
雪輪とは、牡丹雪の結晶を抽象的にデザイン化した柄のことです。春の雪解けで水になり、草木を芽吹かせ田をうるおすことから「豊作」の象徴として伝わっている古典柄です。雪輪の枠の中には桜や秋草といった他の柄があしらわれていることが多いようです。
振袖の印象は柄の位置で決まる!
振袖のメインの柄は、基本的に膝上くらいの位置に大きく描かれています。古典柄はその傾向が強く、上品で清楚な印象を与えられます。他にも以下のような柄の位置があり、それぞれ違う印象を演出することができます。
全体的に同じような柄の振袖の印象
どこかに大きくメインの柄を置くのではなく、全体的に同じような柄が配置されている「総柄」と呼ばれる振袖があります。細かい意匠がすみずみまで丁寧に施されていることから、高級感と優雅な印象を与えられます。
メインの柄がない振袖の印象
希少ではありますが、メインの柄のない無地の振袖もあります。小物との合わせ方によっては研ぎ澄まされたスタイリッシュさを表現できます。一般的な振袖の印象とは異なり、着る人の個性を引き立てるデザインです。
まとめ
一言で成人式の振袖といっても、古くから愛される古典柄から流行を取り入れた新古典柄、個性を発揮できるモダン柄など、さまざまなバリエーションが存在します。さらに、花や動物、和小物といった数多くの柄のモチーフも豊富です。成人式を迎える多くの人にとって振袖選びの経験はそれほどあるものではないので、洋服を選ぶ以上に振袖選びに悩まれることでしょう。
振袖&袴レンタルショップ・スタジオのTAKAZENには、たくさんの振袖の着こなしイメージが掲載されているので、ぜひ振袖の柄にも注目してみてください。今回ご紹介した柄の意味と合わせてチェックすると、より振袖選びを楽しんでいただけるのではないでしょうか。